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宿命のクリスマスイブ

メリークリスマスッ!!、、、、って、クリスマスイブもメリークリスマスって言っていいのかどうかよくわかりませんが、とりあえずさわりの部分という事もあり言ってみました。今宵、聖なる夜をいかがお過しでしょうか?って、これも大体『かえる屋』ブログ見てる方々は昼間見てる訳だからピンと来ないでしょうが、ってさらにこのブログ見た後イブの夜になるからいいのか?じゃ、燃えるお兄さんはイブの夜先取りってこと?まあ、あんまり嬉しくないので次行きましょ。、、、、題して宿命のイブ。あれは今からもう18年も前の、いわば僕の汚名となったイブの話しである。その夜は、光沢のように光る街灯りに満天の星空も影をひそめた冷たいイブだった。その夜僕は東京のど真ん中、新宿は歌舞伎町にたたずんでいた。誰かを待っていたわけではない。誰かを探していたのだ、、、何故かサンタクロースの着ぐるみを着て、、、、その当時、21の僕は新宿歌舞伎町で今は死語となってしまったdiscoの店員をやっていた。そう、かの有名なあの黒服というヤツだ。いつもはずっと、いや一年を通してほぼそうなのだが、たった二日だけそうでない日がある。皆さんお察しのように、そうそれがイブとクリスマスの日なのだ。いつもは肩で風切って客引きするのに、この日だけは皮肉なことにお笑いタレントになってしまうのである。discoを出るときの止めどない違和感と羞恥心の連続。誰にも会わない事を望む、赤裸々な切望感。いっその事このままどこかに逃げてしまおうか!?しかし逃げ道はどこにもない。もしそんなことをすれば縦社会の店の風習が許さない。たちまち店の裏通路に連行されて、半殺しの刑にあうのは目に見えている。つまり、これは現代に蘇ったさらし首の刑なのだ!!何故か何も悪い事をしていないのにさらされる、屈辱的仕打ちなのだ。あきらめの踏ん切りがつかないまま、歌舞伎町のメインストリートについた。、、、と、そこで神を!?神を感じることとなった。それはどうしてかって、見ればあっちもこっちもメインストリートはサンタクロースだらけだったのだ!!その光景を見た時そっと胸を撫で下ろし、束の間の安堵を覚えるのだった。よかった!歌舞伎町のメインストリートに、サンタクロースが我々二人だけでなくて、、、、正に命拾いした気分だった。心持ち僕を見下した感のあった街灯も、今は少し微笑んでいるように見える。サンタクロースが僕たち二人だけでないと知れば、ここから先はいつもどうり。まるで自分達がサンタクロースにでもなったかのように、道行くギャル!?(これも死語)に、水を得た魚のように猛然とアタック!?(キャッチという客引きのこと)ねえねえ、うちの店でトナカイに乗ってみないっ?なんて言ってるんですよ、僕。ああ、昔はトナカイに乗るコがたくさんいたなぁ〜。「うん、トナカイに乗りたい!トナカイに乗りたい!」だって!?よっしゃ!!2名様ご案内〜!?店に着くまでに逃げられないように、ああでもないこうでもないとギャグ(死語)を飛ばし、エレベーターに乗せればこっちのもの。高鳴る心臓の鼓動と共に、いよいよ店のビルが見えてきた。エントランスの階段を上がり、エレベーター乗り場が見えた。しっ、、、!?しかぁっ〜!!っし!?その時私の目に飛び込んできたもの、、、、現実は、小説より奇なりっ!!!、、、、あっ!!有り得んっ!?いや、有り得ないっ!!なぜ?why???エッ!!エレベーター乗り場の前に、いとこの!?しかもかなり親しい、と言うかとなりに住んでいて、しかも東証一部上場の一流企業に勤めている、我が血族で一番のエリートおじさんが多分会社の同僚と、セレブ臭をぷんぷん漂わせてたたずんでいるのである。おお!?神よ!!救い給え!?この私を救いたもうなりっ!!ギャルはもちろん何も知らず、まるでグラミー賞にノミネートされたアーティストのように自信過剰気味にズンズン階段を上がって行く。もうダメだ!!すべては水泡に帰した。あっ!?まーちゃん!?(僕の若かりし頃のあだ名)何してるの??どうしたの??その格好、、、、言葉が出ない。何かが喉の奥に詰まって言葉が出ないのだ。顔面が阿蘇山となり、マグマが噴出!!まがりなりにも、彼の奥さんの姉が私の母!?僕は大学に進学し、日々これ勉学に精進する身。まさかイケイケ(死語)ギャル引き連れて、サンタの着ぐるみは有り得ない!!さらに、運悪いことは重なるもんで三台あるエレベーターの内二台はてっぺんまで行ってる始末、、、、うまくやり過ごす事も出来ず、同じエレベーターに乗るはめに、、、、沈黙、哀れみ、同情、滑稽さ、悲哀、不可思議さ、、、、様々な感情が入り乱れて、エレベーター内は正に窒息しそうな息苦しさに包まれていた。時が止まるとは、この事なんだと痛感させられた。各階にエレベーター内のランプが点滅しながら上昇していく。ランプがひとつ上がるたびに、僕の血圧も30上昇。そんな臭いはしないはずなんだが、なんだかきな臭い煙があたりに充満。失神しかけたところで、いよいよおじさんが先に降りる階に到着した。最高裁で最後の判決が下されるように、おじさんの口から重々しく出た言葉、、、、、「まあちゃん、アルバイトしてるんでしょ?」、、、、、ひと呼吸おいて、、「はい」     それが、最後の会話だった。

by kaeruya2008 | 2008-12-24 04:44  

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